世情
先月、アナログレコードというブログを書きました。
思春期から大人にかけてCD、MD、iPodで音楽を楽しんできた世代ですが、初めてレコードの音を聴いて、その魅力的な音に引き込まれました。
レコードプレイヤーはもちろん、アナログレコードすら1枚も持っていなかった私ですが、ついに新品のレコードプレイヤーを買って、さらにオークションやレコード屋さんを周り、聴きたかったレコードを何枚か買ってみました。
その中で、以前に書いたブログにも写真を載せましたが、中島みゆきさんの「愛してると云ってくれ」というアルバムがとても素敵で、このレコードばかりを毎日聴いています。
1978年リリースなので、今から43年前に発売されたアルバムです。
曲は全編にわたって、別れ・かなわぬ恋・嫉妬・昔の恋人、といった、恋愛の負の感情を表現した曲が多いのですが、中島みゆきさんの曲によって変化する魂が込められた歌唱や演奏によって心が揺さぶらる中に、冬の暖炉のような温かみを感じられる曲もあります。
そのアルバムの最後を飾るのが、タイトルの「世情」という曲です。
この曲だけは、恋愛の歌ではありません。…たぶん。
ネットで調べると、このレコードが発売された1970年代まで活発に行われていた学生運動の事が歌われているのではないかと言われています。自分の前を通り過ぎるデモ行進のシュプレヒコールをサビに、不条理な世の中との葛藤などを歌った曲と書かれてありました。
「3年B組金八先生」という、大ヒットしたテレビドラマの挿入歌としてフルコーラスで流れた事で有名な曲でもあるそうです。
歌詞の中に、「世の中はいつも変わっているから、頑固者だけが 悲しい思いをする。変わらないものを何かにたとえて、その度崩れちゃ そいつのせいにする。」という一節があります。
そのあとに、「変わらない夢を流れに求めて、時の流れを止めて変わらない夢を見たがる者たちと戦うため。」と歌詞が続きます。
世の中の物事を変えたい人と変えたくない人の感情のぶつかり合いを歌った曲なのでしょうか。
今、世の中は、コロナ禍で世情がどんどん変わっています。
学業や仕事が制限されたり、生活が普段と違ったりで何かしらのかたちで世の中のすべての人が影響を受けています。
コロナの終息という希望の光を探している中でこの曲を聴くと、くじけそうになることや、心が折れそうになること、思うように進まなかったりすることもあるけれど、変わらないものを変えるために前に進んで行かなければと強く思いました。